幸せをよぶ絵      

 私の出身地は高知県幡多郡大月町です。土佐のこの地方に昔から伝わるわらべ唄があります。
私はこの唄を次のような本で知りました。もう30年も前になりますが、優良図書となった作家松谷みよ子さん
が書かれた絵本「お月さん ももいろ」の中で。 20年前に発行された川村一嘉さん(大月町出身)の「才角川」
(さいつのがわ)の中で。 松谷みよ子さんの母方の祖父は土佐の人。 川村一嘉さんは私の出身地と同じでした。
同じ 土佐につながる本として興味を引かれました
「お月さん ももいろ」の中に   
「 お月さん ももいろ だれん いうた あまん いうた あまの口ひきさけ

「才角川」の中に                                                                                                   

お月灘 桃色 誰が 言うた 海女が言うた 海女の口つんじ
             

同じ唄ですが お月さんとお月灘   ひきさけとつんじゃれ  の違いが見られる。大月町はかって合併前
 大内町 月灘村に分かれていました。唄の中のお月灘は月灘(月灘村)を 意味しています。

つんぢはこの地方で ひきさけは高知 (高知市)の人達が唄ったようです。  どちらの本からも
封建社会からの貧しい人々の様子を伺うことができました。

 私の小中学時代を振り返っても、豊かでない家庭が多く、中学校卒で就職する学友がほとんどでした。
関西方面に出る方が多く、かっては金の卵と言われた時代もありました。その学友も努力の結果、立派な
家庭を持ち、全国で強く生きている姿を同窓会やその他の出会いの場でかいま見ることができます。                                                                                           
 さて、著書「才角川」の中から、貧しさの中にも、夢を持ち明日を信じて努力された川村一嘉さんの成功を
喜ぶと共に、かっての月灘の遠い昔を忍ぶなら、戦後60年の歳月を経て、確かに日本は豊かな国に復興
しました。                                                                                   
 しかしながら、貧しさの時代から、豊かな消費する時代に変化。豊かな時代と喜んでいた10年より、混沌
とした明日に不安を抱える時代になってきました。                                                               
 このような時代ですが、明日を信じ、努力し、夢と希望を持って生きていきたいものです。このことを、今の
若い人たちに伝えたい。   

 豊かな時代に育った今の若い人達は、夢や希望をもてない人が多いようです。かっての貧しさの時代を
経験していない事も考えられます。だからこそ今、貧しさに負けず、夢と希望を持って努力した先人の姿を
知り、生き方を学んでいただきたい。また、戦争の悲惨さ、平和の有り難さを知っていただきたい。
 このような考えから、どうにかして、
夢、希望、幸せで訴える事を考えてきました。
 
 元にかえりりますが、「お月さんももいろ」の中に「ももいろさんご」が出てきます。また、月という言葉が出
てきます。お月さん 月灘 ももいろさんご がお話の中に絡まっています。
 月灘には
月山神社があり、昔から年に一回の大きなお祭りがありました。この神社もお月さんと呼ばれて
います。出来上がった幸せをよぶ絵は この月山神社でご祈祷いただきました。 また一点寄進いたしまし
た。
 幸せをよぶ絵は以上のようにして、制作いたしました。この絵が皆様の幸せにお役に立ちますと共に
土佐のこの地を知っていただき、大月町の発展に繋がれば幸いです。

       参考資料   「お月さんももいろ」 松谷みよ子薯 ポプラ社発行
                 「才角川」       川村一嘉 薯 音楽堂 発行  

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